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中文翻訳編集:黄淑菁
英文翻訳:白須康子 英文翻訳:伊藤菜月妓 英文翻訳:坂元一枝 (2010.4月起) |
絵本専門店 ゆめやの長谷川さんは、ご自分の今までの人生での出来事 を、定期的に1冊の冊子にまとめられて、ゆめやのブッククラブの会員の 方に配られている。(随筆集のようなもの) その冊子の中身は、それはそれは愉快に面白く、時に切なく、そして 学びにもなる内容で、長谷川さんは小説家になれたな、この冊子を本に出来ないか? と考えてしまうほどの文章が並ぶ。 実は、冊子の中のイラストも、すべて長谷川さんが描いている。とても味のある 良いイラストだ。 今回の「HAHATAME」は、長谷川さんが子どもの本の世界に、のちのち 入って行かれた軌跡というか、必然的な偶然とてもいうのか、子ども時代から、 なんと「ドリトル先生」を翻訳された、井伏鱒二に出会われていたり〜と、 うなってしまうくらいの、下地のようなものが用意されていたことが分かるものだった。 一つの物語の感想にしても、多角的な視点からものを見れる人は、やはり 人生でさまざまな体験をしていることが多い。 長谷川さんの視点の深さや言葉のユニークさは、やはり人の何倍もの出会いや 体験があってのことなのだと、いつも思っていたが、そんな話をメールしたところ、 下のような返信をしてくださった。 *************************************** 《出会いは偶然ばかり》 ときおり自分でも不思議に思うことがあるのです。なぜ意図しないのに人生で重要な人と出会ってしまうのか? 仁科さんともそうです。みなさんもそうなのでしょうが、不意に出会いが訪れることが多いのです。 考えてみれば、生まれたときに産湯に入れてくれた人から、それなりの立派な方々と出会う偶然が重なり 始めたということです。私が生まれた1月18日は大雪でした。でもその日から多くの出会いが始まりました。 ふつう一般の出会い(職場とか地域とか、学校とか、ある種、運命的な環境)では、どこかで価値観や意識レベルが 自分とは違う人が、かなりいるのがふつうです。 そういう人たちの存在を否定はしませんが、話を聞いたり考えを深めたりするのには、あまり適当な相手とは言えません。 この人たちはすぐれた本や映画、演劇や芸術作品を通して人間や世界を観たことがないのだと思っています。 だから、頭の中は明日のご飯のおかずや子どもの進学情報、スポーツの勝敗、芸能スキャンダルの話題・・・ それでいっぱいいっぱいなんでしょう。
私は「いえいえ、私など人望がございませんから、もともと仲間などできません。」とへりくだりますが、内心では『あなたがいうのは仲間でなく手下だろう! 既得権などの利害で儲けたいだけだろう』という感覚しかありません。こういう人は人を利用することで上に立ちたい人なのです。
残念ながら私は学んだり調べたりする能力しかなく、仁科さんのようにつくりだす能力がない人間でした。仁科さんは永井先生という人生の師に出会いましたが、私の出会った「師」は、本の中の人たちで、何かを生み出す方法は教えてくれませんでしたし、また私にもその能力がもともとなかったと思います。でも、考えを形作り、道を開くことは教えてもらったように思います。例えば、誠実に生きることや悪質なものと戦うことをヘッセやエンデから教わったようにです。 《出会いたくても出会えなかった人》 出会えなかった人も当然います。1971年、私はミュンヘンのアイヒェナウという郊外の町で下宿していたのですが、そこから1キロくらいのところにミハエル・エンデが暮らしていたのです。名前も知りませんでした。本も読んだことがありませんでした。会ってもわからなかったでしょう。 《意図して出会いを求めても》 そして、その偶然の出会いは、また偶然の出会いを生んでいくものなのです。父母や親友がもたらした偶然の出会いもたくさんあります。出会った人から生まれる上質な出会い。 《するべきことをしていれば偶出会いはやってくる》 利害損得で人と付き合うのはどこかで限界が生まれます。何か理念をもって、これをしようと思えば人間は 実現に向かって行き、その途中で、実現に必要な人と偶然のような感じで出会っていくのではないでしょうか。 これは、まさにミハエル・エンデの「はてしない物語」の中でバスチアンが「アトレーユ」や「幼な心の姫」 と出会ったのと同じです。世界のすべてに新しい名前をつけていく作業。 これはとりもなおさず自分の物語(人生)をつくっていくことでもあります。この思いがなければ、 誰もがファンタージエンのように虚無に飲み込まれてしまうでしょう。 明日のおかずのことだけを考え、芸能・スポーツに一喜一憂しているだけでは虚無に飲み込まれます。 いま、多くの日本人が、このような状態で、希薄なSNSで異様な出会いや無意味な交信をしています。 虚無が襲ってきています。
by cinniyan
| 2018-01-29 07:44
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