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中文翻訳編集:黄淑菁
英文翻訳:白須康子 英文翻訳:伊藤菜月妓 英文翻訳:坂元一枝 (2010.4月起) |
本を読むということ 学校で行われているような読書推進の試みや行政主導の読み聞かせ運動の ようなものの前に、まず親が、家庭が、感受性を培う成育環境を 与えることが不可欠だと思いました。 これについてシンポジウムで、猿橋幼稚園園長の仁科美芳先生が、 「子どもたちは絵本から読み取るのではなく感じ取っていること」を いくつかの例を挙げて教えてくださいました。そして、仁科幸子さんの 本のほとんどが自然描写で、そこには色やにおいなどの表現が多様にあり、 そこから子どもは何かを感じ取るというのです。 たしかに浜田廣介の話も、小川未明の話も、そういう自然表現がたくさんあって、 私たちはその表現を読みながら何かを頭に浮かべていきます。 それを感じてから物語の展開に引き込まれていくというわけです。 仁科さんの「星ねこさんのおはなし」も、そんな自然描写が満載です。 読んだ子どもは、まずその世界に引き込まれ、 やがて、テーマを感じ取ることになるのでしょう。 これが「ひろすけ童話賞」を受ける十分な下地が作品の中に流れていることは、 子どもの方がわかっているかもしれません。 いろいろな賞がありますが・・・ 賞といえば、芥川賞とか直木賞は有名ですが、私は、受賞作を見て(?)いて、 「これはひどいもんだな」という読後感が、ここ十数年続いています。 この初めは「赤ずきんちゃん気をつけて」だったでしょうか。 逆に読者がテーマすらわからない難解な言葉を多用したものも多い。 また、暗くハチャメチャで破滅的なものも多いのです。 どこにも希望が見えません。シングルマザーが子どもを産んで、とか、 リストカットをする、とか、ほとんど精神病の世界を描いていて 「子どもには読ませたくないもの」が平気で受賞されます。 時代を映した鏡といえばそれまでですが、なんとも作品的価値を見出せません。 なにより作者が何をいいたいのか、あるいはどういう姿勢を世の中に 示したいのかさえわからないのです。その相容れないものたちが起こす事件や 社会現象を描いたのが最近の芥川賞や直木賞受賞作品ですが、 読めば読むほど先が見えず、書いた作家が我々のいるくらいトンネルの出口を 示してくれているわけでもない・・・・解決の糸口すら語られません。 こんなものを子どもには読んでもらいたくないというのが正直な感想です。 ところが、芥川、直木賞を取った作家の地元が、鬼の首でも取ったように 「郷土の誇り」と騒ぎ立てる・・・それを読んだのか読まないのか知りませんが、 テレビ・メディアもきちんと見定めずに垂れ流し報道をする・・・ まったくおかしな風潮です。 もう、世の中、ほとんど価値が転倒してしまっているのかもしれません。
by cinniyan
| 2013-07-22 06:30
| 私の絵本
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