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中文翻訳編集:黄淑菁
英文翻訳:白須康子 英文翻訳:伊藤菜月妓 英文翻訳:坂元一枝 (2010.4月起) |
「龍の目の涙」の重要性 たとえば「龍の目の涙」ですが、これは1941年に書かれたものです。 1941年といえば、昭和16年・・・太平洋戦争開戦の年です。 作品では、この舞台が『南の国』とされていますが、あきらかに中国です。 偕成社版・いわさきちひろ絵の「りゅうのめのなみだ」では、明確に 中国であることが描かれています。龍は中国の象徴であることは 誰が見ても一目瞭然です。人々は龍を怖がっているのですが、 怖がる周囲の人々(中国人ということになっていますが)は、 じつは日華事変を経てきた日本人なのかもしれません。 つまり、この「周囲の人々」は、国家の宣伝で「龍は怖い!と刷り込まれた人々」です。 「龍の目の涙」の背後には、そういう時代状況があるわけです。 ところが男の子は龍を怖がりません。 もうお分かりだと思いますが、ここにはグローバリズムによる混乱 (国家間がしのぎあうことから生まれる疑心暗鬼)を乗り越える エレメントが語られています。テレビやメディアが、「あの国は悪い国!」 と言って煽ると私たちは悪い国と思ってしまいます。 そして、「恐ろしい国」「なんとかしなければならない国」という 刷り込みが始まります。考えても見てください。国には人がいます。 すべての人が悪い国などあるわけもないのです。 しかし、刷り込みが始まると、誰もが「あの国は悪い国」 「あの国の人は悪人!」と思ってしまいます。自分の国のことは棚にあげて・・・・。 ここで最初に述べた「花粉とか黄砂とか、なんだかわからないアルファベットの物質」 のことを考えてください。 アルファベットの物質は中国から飛来してくるPM2.5ですが、 日本のメディアは「中国の高度経済成長がもたらした公害」と言い、 かなり危険な物質であると喧伝しています。 しかし、40年前・・・日本も同じようにオキシダント濃度の高い窒素酸化物を 出していたことになど触れません。いやいや、二年前にヒロシマ型原爆の 168・5倍の放射能がまき散らされたことなどどこ吹く風です。 他国のことは悪く言い、自国のことは頬かむり・・・というのは、 国民に仮想敵を怖がらせることで国をまとめようという操作です。 対立軸をはっきりさせるやりかたは、じつに子どもっぽいのですが、 この国は近代~現代にかけて平気でやるようになってきました。 戦前も戦後もです。ここでは、相容れぬものをつないでいく思想は 否定されているようです。
by cinniyan
| 2013-07-25 06:30
| 私の絵本
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