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中文翻訳編集:黄淑菁
英文翻訳:白須康子 英文翻訳:伊藤菜月妓 英文翻訳:坂元一枝 (2010.4月起) |
読売新聞の伏流水というコーナーで連載しているコラムで、「スイカズラ」の 花の匂いと母の思い出について書いたら、多くの方から反響があった。 私が絵本作家なので、なにかしら本と結びつけて書くことになっているのだが、 今回は匂いと共に蘇る思い出について書き、スイカズラという花の匂いを取り上げた。 きっと、誰しも、なにかしらの匂いと愛する人との思い出を持っているのだろう。 スイカズラは、海外の児童文学にはよく出て来る花名だ。 イギリスの児童文学にはよく 登場するので、きっとあちらにはこの花が沢山生えているのだろう。その響きに 憧れのようなものを持っていたのだが、思わぬことでこの花が「金銀花」と 呼ばれていることを知り、その花が漢方薬とした薬草で、母の高血圧の薬として 買うことになったのだ。甘い匂いは極上で、バニラの花の匂いに似ている。 このあたりの野山に咲く事もしり、実際に花をよく見たら、白とクリーム二色で 構成されていて、本当に、金銀花と呼ばれている意味を知った。 庭で咲かせたいと、スイカズラを引き抜こうとしたのだが、何メートルも延びたツルの 元を探すのは至難の技だったが、どうにか1本もってくることが出来て、庭に 植えたまますっかり忘れていたら、この春、遠くからナンテンの木が、真っ白な花に 覆われ美しい!「え?」と思ってみたら、まさに、そこにスイカズラが根を降ろし、 咲いていた。そのとたんに、母が「甘いね」と言って飲んでいたのを思い出した。 匂いをかいで蘇る思い出とは、なんとも優しい瞬間だった。
by cinniyan
| 2015-06-13 19:34
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